**分析・解析部門
市場経済、物流などから読み取れる企業活動、治安部門からの各種情報、さらに調査部門から独自に持ち込まれた情報、これらの種々雑多なデータを集積して記録に残しつつ、俯瞰して組み合わせ、隠された流れを監視するのがこの部門の職務である。
分析・解析の結果、問題があると結論された場合や情報に不足があると考えられた場合など各種コード別に判断部門すなわち藩王・華族へレポートが提出される。
集積記録装置は情報機関として新たに建設されたビルの地下に厳重かつ頑丈に保管されており、外部から直接アクセスすることはできない。
外部のネットワークに接続できる端末は情報管理部門で管理されるゲートマシンを通じて地下の集積記録装置に情報を送り込める。当然このゲートマシンは情報集積記録装置の保安に関して最前線となるためセキュリティに細心の注意をもって管理され、常にウイルス・スパイウェア・クラッカーの侵入が監視されている。
記録装置の電源は無停電電源装置と自家発電装置が並立するシステムとなっており、外部からの電力供給が落ちても直ちに停止することはない。
ビル内部で網膜による生体認証などのセキュリティを通過した者(つまりは正当なアクセス権を所有する者)だけがこの記録装置にアクセスすることができる。
また、これらの情報は外部への持ち出しは厳禁であり、それらを統合して判断を下す藩王、華族も自らこの建物へ足を運んで閲覧するようになっている。
職員は他部門と同様、能力はもちろんその他に犯罪歴、高い倫理観念と職務への誠実さ、藩国への愛などの審査項目にて藩王の眼鏡にかなった人物から選抜され、職務上の守秘義務を厳守することが求められる。
その上で万が一にもデータが外部へ持ち出されることのないように、端末装置のある区画への出入り時には金属探知機および磁気ゲート(医療用MRIによる磁場と同程度であり、人体には悪影響をもたない)の中を通過するようになっている。
情報機関の拠点は、一見普通のオフィスビルであり、外観からは他の建設物との違いを見分けることは難しい。強いて言えば敷地面積に対して地上建築物の占有率がやや小さい(警備上の理由による)。
建物に入る時点で職員であることの確認を求められ、関係者以外は立ち入ることができない。
外観からはうかがい知れないが、ビル内部は要塞化されており、万が一にも敵対勢力の攻撃に陥落することのないように設計されたものである。最重要拠点は地下部分に設置されている。