判断部門のSSっぽいものを書きました。
使うかどうかはともかく、あげておきます。
<ある日の判断部門>
判断部門は、実質藩王夫妻と摂政二人の合議によって成り立っている。
最終決定権は藩王にあるが、藩王がその強権を発動することはほどんどない。
いや、ほとんどしなくてもよい、というところか。
よっきーにしてもodにしても悪童屋の判断を信頼している。
そのため、大抵の場合においては藩王の判断に異を唱えることなどないのだが…
「藩王、本当にそれでいいんですか!」
よっきーが珍しく大きな声をあげた。
その目は真剣そのものである。
odも同じく真剣な表情で悪童屋を見つめている。
しかし、なぜかアロハシャツを来た悪童屋は、難しい表情をしたまま重々しく頷いた。
「これ以上の議論は必要ない。総合的に判断して、それが最良だと俺は思う」
横にいたスイトピーが、少しだけ不安そうに尋ねた。
「後悔はなさいませんか?」
「ああ」
それを振り切るようにして、悪童屋は机にのっていた資料にライターで火をつけた。
紙の資料が一気に燃え上がる。
「調査部と分析・解析部ががんばってくれた結果を燃やすのも心苦しいが、もう後戻りはできないんだ」
悪童屋が高らかに宣言した。
「今回の政庁慰安旅行の行き先は、ハワイに決定する!!」
その数日後、政庁内に慰安旅行の案内が張り出され、政庁職員が狂喜したのは言うまでもない。