初稿を投下します。
問題あれば修正しますのでお知らせください。
また、余談でSSも投下する予定です。
調査部門について
この部門は、その名の通りある事項における情報について収集を行い、その真偽を調査するためのものである。
実質、情報機関の肝といっても差支えがない部門だけに、こちらに従事する人員については、特に藩王からの信の厚い者が選ばれている。
人選はほとんどが藩王による直接の選任で、当然ながら辞退することもできるが、まず断るものはいなかった。
それほどに国を想うものだけが、藩王から選ばれたためである。
ここで収集、調査される情報は多岐に渡る。
明日の天気から塩の値段、小麦の流通場所など、一見、防諜とはなんの関係もなさそうな事柄までを収集するのである。
その情報が有益か否かを判断するのは分析部門、引いては判断部門である。調査部門はひたすらに、怪しまれることなく情報を集めることこそが肝要なのだ。
とはいうものの、情報はそれこそ無尽蔵にある。国内のみとはいえその全てを収集調査することは不可能であるだろう。よってあるていどの選別は調査部門で行われている。
ここで部隊員の手腕が問われるのだ。
通常、調査部門の人員は二人一組のいわゆるツーマンセルで動くことを基本にしている。
これは、情報を得た後に確実に持ち帰る必要があるためであり、また、藩王からの厳命による『無事に帰ってくること』を遵守するための措置でもある。
さらに、片方がリーガル、もう片方がイリーガルな部分を担当することにより、市民の信頼を得やすくするというメリットもある。
調査部門の参加者については、トップシークレットがしかれている。
これは、調査部門の所属者を公開することによるメリットよりもデメリットのほうが大きいと判断されたためである。所属者は政府により身分を保証されてはいるが、その機関に所属していることを示すものを身に着けることはない。
また、所属者には当然ながら守秘義務が課せられており、家族に対してといえどその所属を明らかにすることはできないことになっている。
#この下は部外秘扱い?
所属者には、政庁関係者が多く含まれており、一家そろって機関に所属している例もある。
なお、犬や猫もこの部門には所属していて、追跡や伝達の際には彼らが最も役に立っているのである。
人のそばに何気なく紛れ込み、何食わぬ顔で情報収集をした後、その情報が悪いことに利用されないよう、彼らも国を守っているのである。