ちょっと文章に手を加えてみました。
> 数日後、涼州藩国のどこかに丸い黒眼鏡の奥に鋭い眼光を宿した太った親父が薄暗い店を始めたという噂が流れた。
数日後――
涼州藩国のどこかに薄暗い店が建った。
どこにあるのかわからない。
何を売っているのかも知られていない、曰くつきの店。
何かの間違いで足を踏み入れても、丸い黒眼鏡の奥から店主であろう太った親父に鋭い眼光で睨まれ、逃げ帰る羽目になる。
よほどの修羅場を経験した者しかその店の客とはなれないのではないか、私たちは近づかない方が幸せだと、まことしやかに流れる噂。
その真相を知っている者はごくわずかである。