果てしなく時事ネタ&好きな歌手ネタですみませんー。
よっきーからもらった「子供のおもちゃを直す」SSをつくりました。
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「くそっ、上手くいかねぇなぁ」
「何やってんだよ、そんなムキになって」
「いや、そこの難民キャンプにいた子供がさ、壊れた鉱石ラジオを大事そうに持っててよ」
「その鉱石ラジオってのがそれか?」
「ああ、そうなんだよ。簡単そうに見えて、これが結構・・・うーん、おまえ、見てくれないか?」
考え込む友人の手から鉱石ラジオを受け取った。
実物は初めて見るが、さして難しい仕組みでもないようだ。
一見して受信機能を司る部分の破損が原因だとわかった。
本来であれば結晶に接触しているはずの細い金属線−通称「猫のひげ」−が折れており受信機としての機能が失われていたのだ。
「んーっと。これ、金属線を新しいのに換えてやったらすぐ直るぜ」
「さすがは整備士様、だな」
ウィンクする友人に、苦笑でこたえる。
「だがその整備士様も、材料がないんじゃどうしようもない。工具箱には入れてないんだ」
「んーっと、この太さの金属線、どっかにないかな?」
二人で周囲を探す。
「ちょっとまてよ・・・?」
確か胸ポケットにあれを入れていたはずだ。
うん、あった。
「これを使おう」
「なんで真鍮線持ってるんだ?」
「掃除用の真鍮ブラシの線が折れてね。ゴミはその場で回収するのが鉄則だから」
ポケットに入れたまま、捨てるのをわすれてたんだよ、と、また苦笑した。
「仕事以外では結構忘れっぽい性格だよなぁ、おまえ」
「いいんだよ、ちゃんと仕事ができてればさー」
友人から子供たちの様子を聞きながら、新しい猫のひげをつけてやった。
さて、音は出るだろうか?
スイッチを入れ、つまみをまわす。
ザーっという音の中で、人の声が聞こえるところがあった。
このチャンネルにあわせればいいのかな?
≪ここにラジオの文言をいれる≫
「おっ、きこえたぞ」
「早速持っていこうぜ」
友人に連れられるまま、難民キャンプへ入っていった。
最近開発された太陽電池を使ったテントが立ち並んでいる。
「よっ、坊主!直ったぜ!」
「ありがとう、おにいちゃん!」
「お礼はこっちの兄ちゃんに言ってやってくれ」
笑顔でこちらを振り向く友人と、驚いた表情で見つめる子供の視線が少し気恥ずかしかった。
「すごいね!ありがとう!」
にっこりと笑った口元から見える真っ白な歯がまぶしい。
整備士の部隊章をそっと触って、この子の笑顔に出会えた幸せに感謝した。