とりあえず、SSを書いてみたので追加しておく
―――単純なシステムほど徹底して行う事ができるかどうかで能力は決まる。
海軍兵站システム導入にあたっての悪童屋の挨拶の言葉―――
海辺に面した補給所から補給している船舶を港で見ながら少し昔の事を思い出した。溜め息をついてから懐から取り出した煙草を咥えた。
“後輩を助ける”その為だけに広島まで行き作戦指揮を執ることになった…。その時、最大の問題は補給の細さだった。それは補給船の能力に限りがあり、ギリギリの戦いを繰り広げるしか仕方がない事だった。
いや、本当は違うのである。補給が確保できない戦いは基本的に負ける戦いなのだ。この時、俺ならもっと効率のいい補給システムを構築して少ない物資で戦えるように後方支援の方を訓練しようと思った…。まさか、俺自身が藩王になって藩国を運営する事になるとはその時は思ってなかった。
自国を運営する事になって港を得た。これは俺が思っていた補給システムを導入してみようと決意した。このシステムは『海軍兵站システム』と言うことがわかり運用できるように資料を大量に集めた。それらに目を通していてある結論に達した。それはどのシステムを採用してもそれを運営する人員が理解して厳密に運営すればできるのだと…。
ここからは運営する人員と俺との戦いだった。そう、このシステムを効率よく動かすのは各行程の作業を徹底して行えるかをどうかにかかっているのだという事に…。ただ、この戦いはかなり厳しいものとなった。やはり、戦場から遠く離れているのでこの仕事の重要性が理解しにくいようだった。ただ、俺はしつこく何度も何度も喰い付いてこの『海軍兵站システム』が徹底して運用されることで味方が救われるのだと…。
若い現場作業員に『そこは禁煙だ!!煙草咥えてないで下さい!!』と怒られた。その言葉を聞いて咥えた煙草をしまってから俺はこみ上げてきた喜びを押さえきれずに満足そうに笑った。