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『新素材の開発』

現在、悪童同盟の藩国の屋台骨は燃料生産地で燃料を汲み上げ、燃料精錬所で品質向上と生産性を安定させて藩国に供給することで成り立っている。安定した燃料供給を元手に様々な研究が日々行われており、燃料生産大国を維持しつつ技術大国へとその方向性を模索しはじめた。
経済が発展し安定した税収が見込まれる現在とは違い、新素材を開発する前の悪童同盟の藩国の屋台骨は燃料生産地で燃料を汲み上げ、燃料精錬所で品質向上と生産性を安定させて藩国に供給することで成り立っていた。安定した燃料供給を元手に様々な研究が日々行われており、燃料生産大国を維持しつつ技術大国へとその方向性を模索しはじめた。
技術大国の足掛かりとして着手したのが『エネルギー開発』であり、特に力を入れたのが『太陽電池』の開発であった。そもそも太陽エネルギーは本来莫大なエネルギーが秘められており、それを活用可能なエネルギーとして提供できるようにしたのが『太陽電池』と言う訳であった。
 そもそも、西国に広がる砂漠の土地は太陽光が普通の藩国より多く降り注いでいる。それは太陽エネルギーの恩恵が他国よりも多いという事と同義である。『太陽電池』の主原料は砂の成分であるシリコンであったことは、悪童同盟にとって非常に幸運なことであった。
 そもそも、雨の少ない砂漠の土地は太陽光が普通の藩国より多く降り注いでいる。それは太陽エネルギーの恩恵が他国よりも多いという事と同義である。『太陽電池』の主原料は砂の成分であるシリコンであったことは、砂漠地帯を有するこの国にとって非常に幸運なことであった。

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 とは言え、始めは悪童同盟の藩国民は藩王である悪童屋・四季が発表した『新素材:太陽電池の開発』というのにそれほど感心が集まったわけではない。今までの、燃料は掘り起こすものだというイメージがあまりにも強すぎて、静かな出発となっていた。
 とは言え、始めは藩国民たちは藩王である悪童屋・四季が発表した『新素材:太陽電池の開発』というのにそれほど感心が集まったわけではない。今までの、燃料は掘り起こすものだというイメージがあまりにも強すぎて、静かな出発となっていた。
 しかし、藩国に『太陽電池』を浸透させる一大発表があった。それは城壁で囲まれた居住区にある家屋の屋根と燃料精錬所にある施設のエネルギーを『太陽電池』を利用した太陽光発電システムを取り付けるというものだった。一部の藩国民から反発もあったようだが藩王自ら説得に応じ、最後に
「文句は後で聞くからとりあえず、運用してからだ」
といって藩国民を納得させて取り付けを行った。はじめのうちはトラブルもあったが、今となっては特に文句が出ることもなく、徐々にその奇妙な外観も藩国民に受け入れられたようだ。

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 『太陽電池』と一言でまとめられているがその種類は多く、一般に運用されているものだけでも
・耐久性、信頼性の高い「単結晶シリコン太陽電池」
・コストパフォーマンスに優れた「多結晶シリコン太陽電池」
・薄くて省資源で量産しやすい「薄膜太陽電池」
・高効率化を追求した「多接合太陽電池」
・宇宙開発に必要な「宇宙用太陽電池」
・発電することができるプラスチックフィルム「有機薄膜太陽電池」
などがある。
しかし、悪童同盟ではその先の「新型太陽電池」の開発が進められていた。
しかし、技術者たちはその先の「新型太陽電池」の開発を進めていた。

『新型太陽電池』の研究テーマでは高い変換効率を実現するという目標が掲げられている。開発の一つの成果として理論的に60%以上(通常は25%)という超高性能な太陽電池が試作品が完成していた。研究室ではこれらを悪童同盟の気候下で設置できるように、強度、エネルギー変換効率の値が下がらないか長期のテストが行われ、そして無事終った。

現在、悪童同盟の国民が期待している『新型太陽電池』が高い変換効率を得られたのは、簡単に説明すれば、従来型なら1〜2種類の太陽エネルギー(光スペクトル)しか吸収できなかった太陽電池を、広い範囲の太陽エネルギーが吸収できるように改良したからである。
現在、国民が期待している『新型太陽電池』が高い変換効率を得られたのは、簡単に説明すれば、従来型なら1〜2種類の太陽エネルギー(光スペクトル)しか吸収できなかった太陽電池を、広い範囲の太陽エネルギーが吸収できるように改良したからである。

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LEFT:(絵:ゆうみ)

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「今回も駄目か…。 理論は完璧なんだがそれを実現できねぇ」
「こんな所で足踏みしている暇はないんだが…」
と実験結果をみて質素な椅子に持たれかかりながら天井を仰いだ。他の技術者達も落胆が隠せない様子で次の実験プランを考えていた。
「しかし、なぜ、そこまで太陽電池の変換効率にこだわっておられるのですか?」
とある技術者が聞いてきた。
「簡単な事だよ。勝つためにだよ。」
「戦争というものは実弾のやりとりだけではないという事だ」
「太陽電池の実用化が進めば常に太陽エネルギーが補給される宇宙からの送電で国内を安定させ、通常の燃料と太陽電池で稼動させることで高出力の機Dの運用もしやすくなるだろ?」
「そういう事だよ」
「さて、次の試作を作ろうじゃないか…。悪童同盟は俺らの方法で戦うだけだ」
「さて、次の試作を作ろうじゃないか…。俺らは俺らの方法で戦うだけだ」
椅子から勢いよく立ち上がり、皆を見渡して
「さて、今日は休みだ…。2,3日休んでまた再開しようじゃないか!」
といって笑った。
このあとの実験で悪童同盟を支えるであろう『新型太陽電池』の試作が完成したのだった。
このあとの実験でこの国の、ひいてはニューワールドのエネルギー事情を支えるであろう『新型太陽電池』の試作が完成したのだった。

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――『さて、この砂漠一面に太陽電池を敷き詰めるぞ!』
                            『本気ですか!?』――
                              藩王と技術者の会話

照りつける太陽を背に受けて広大な砂漠を見つめている一人の男。
「さて、ここが悪童同盟の新しいエネルギー拠点だ」
「さて、ここがうちの国の新しいエネルギー拠点だ」
すでにこの男に見えているのは自分の思い描いたイメージの風景、それは砂漠一面に敷き詰められた太陽電池からなる超大規模太陽光発電が元気に稼動している姿であった。

そう、この男の頭の中には次の計画が数本考えられており目まぐるしく整理されていった。その一つが何も生産する事ができなかった砂漠にエネルギー供給基地を作るという計画だった。これらは異常ともいえる燃料(エネルギー)生産に力を入れているのは市場に大量に放出する事で市場に活性化を与え、帝國内の燃料事情の改善を視野に入れていた。
勿論、燃料を市場に流す事で得た外貨は次の国内の公共事業として国民に循環して、国内の活性化にも繋がると試算していた。

「とまあ、こんな感じで計画を考えている」
と上記の計画書の藩国会議で説明している男、この男が悪童同盟藩王の悪童屋・四季であった。
と上記の計画書の藩国会議で説明している男、この男が藩王の悪童屋・四季であった。
「目標は1ターン100万t以上の燃料を生産だっ!?」
一瞬、会議の面子が沈黙したが、男は気にせずに
「まあ、それこそじっくりやっていこう。まずは80万tぐらいを狙っていこうじゃないか?」
皆の雰囲気が少し和らいだところで
「で、その先には宇宙太陽発電の開発計画も発動する」
「こいつは凄いぞ!!夜のない宇宙で静止衛星軌道にのせた太陽発電衛星を使って太陽発電を行い、そのエネルギーをマイクロ波やレーザー光に変換してレクテナと呼ばれるアンテナで受け取りエネルギーに変換するという計画だ」
と、目を輝かせて皆に説明している光景は極めて子供っぽかった。ただ、有限実行を行ってきた藩王はこの計画も完成させるのだろうと漠然と思いながら会議にでていた面子は自分の出来る事を考え始めていた。

RIGHT:(文:悪童屋 四季)

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スマートな方法で高変換効率の太陽電池を完成させる者がいた一方で、非常識が成功に繋がった例もあった。

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半導体の技術は、見た目金属に近い単結晶シリコンに不純物をドーピングして回路を作る方法が基本の考え方である。

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LEFT:(絵:ゆうみ)

太陽電池の場合は多結晶シリコンを使用しているものもあるが、結晶構造の違いだけで、物理的な物性面で大きな差があるわけではない。
材料になるもの自体が硬いものであるから、太陽電池パネルというものは当然硬い板状のものであるのが普通といえば普通である。
トップクラスの技術を持つ技族達も例外ではなく、シリコン樹脂などに使われる高分子シリコンは半導体には使えないと考えるのが常識であった。いや、そんなものが半導体として使えると考えることすらされなかった。
しかし、その常識を覆す事実が発見されたのだ。

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単結晶シリコンや多結晶シリコンで出来ない事があるなら高分子シリコンでやってみればいいんじゃない?
そんな能天気な言葉とともに片手間に(とはいえ、就業時間以上に時間を費やして)実験を始めたキサルだった。
既存の材料を使って新しい製法で作る新しい素材。それがキサルの隠れた研究テーマとなっていた。
元はといえば、ゆうみとの他愛もない会話からヒントを得てやってみようと思ったらしいが、ゆうみは「さすがにコレやったらよっきーに『ちょっとは常識というものをだなー』とかって怒られるから」と言ってキサルの提案には乗らなかった。
そこで、技族志望のNEKOBITOを助手に、秘密裏に開発を進めていたという。
もっとも秘密にしていたのは高分子シリコンを使うという部分だけで、新型の開発という意味では大っぴらにやっていたわけだが。

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ここは研究室内のミーティングルーム。
キサルが独自の理論と方法で発電効率が目標に達するものを作り上げたらしいということで、試作品の発表会が行われていた。

それは引っ張ると任意の方向に びろろろろ〜〜ん と伸び、放すと ぶよょょょ〜〜ん とゴムのように縮む布のような物体である。
ぱっと見、伸び率は40〜70%といったところだろうか。
黒に近い紫色の上に透明な膜があり、角度によって色の見え方が違う上に妙な伸縮性のある、不思議なシートだった。
発電効率が60%を超えたというふれこみ通り、太陽光を当ててみると、計器の値は70%近い。

「な、なんじゃぁこりゃぁあ!」
「な、なんだってー」
目を剥いたよっきーの叫びと、驚きすぎて棒読みになったゆうみの声が重なる。
「ね、出来たでしょ?」
キサルはそう至って普通そうに発言した。
得意満面というわけでもなく、よし、いいものができたぞ、と、それだけを喜んでいる様子だった。

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LEFT:(絵:キサル)

「ね、NEKOBITOくん、君手伝ってたんだよね?これどういうこと?」
「なんであれで効率が70%近くまで出るわけ!?」
「あのー、僕も言われるがままに材料を混ぜたり成型したりしてただけなので、理論的なものはちょっと・・・」
「えーまじで!?」
「そうなんですよ、夜な夜な研究室で・・・」
「きょーよーなんかしてないもんっ」
「お菓子くれるって言ったからー」

文句を言いながらも提出されたデータに目を通すと、技族達の顔つきが変わった。
「問題なのは強度だ。データを見ると弱いわけではないけれど、やはり従来型と比べると耐久性ははるかに劣る」
「それにこのデータよく見たら、伸縮率によってめちゃくちゃ効率変わってるじゃないか!」
「ちょっ、まさか今のこれってチャンピオンデータ!?」
少し余分に引っ張ると効率が落ち、少し緩めてもまた効率が落ちた。

「効率落ちるって言ったって、普通の太陽電池よりはよっぽど効率いいですよーだ」
キサルがふくれる。
「それはそれ、これはこれで使えばいいじゃないですか」
「ふむ。クリーンルームがいらないから生産コストはさほどではないし、リサイクル方法も検討の余地ありだな」
「使い捨てるにはもったいないです。修理したり、他のもの・・・例えば日傘なんかにリフォームすればかなり使えます」
「けれど・・・」
賛否両論飛び交う中、一人冷静な意見を言う者がいた。
「試作品でこれだけの効率が出るなら、量産化時にばらつきが多少大きく出ても、最低40%前後の発電効率は確保できそうですね」
ニタリ、と笑うヨルクサは新素材の性能に満足したらしく、一言だけ発して会議室から姿を消した。

キサルは身を乗り出して訴える。
「これを生産するラインを今すぐ作りましょう!そうしましょう!」
とういうことで、と、キサルは満面の笑みになる。
「これ生産する為に、アイドレス工場、止めていいですよね?ね?」

「く・・・。まぁ確かにI=Dの生産を止めてでも作る価値はあるな」
「いやしかし、専用のプラントを建てた方がいいんじゃないか?」
「ダメです!専用のプラントも建てますが、それでは生産開始までに時間がかかりすぎます!」
「確かに、うちの国は基本的には戦争は帝國軍に任せるわけだから、I=Dも白夜も現有の機体数で不足はしないが・・・」
「まぁ、言い出しっぺのオレが責任持つからさ、悪童さんに掛け合ってみようぜ。話はそれからだ」
「悪童さんがOKなら、僕が口をはさむ事は何もないよ」

じゃあさっそくとキサルとゆうみはNEKOBITOを巻き込んで小躍りしながら企画書を作成し始めた。
でもなぁ、いや確かにいいのができたし生産したいんだけど、出来たモノ自体が非常識きわまりないよなぁ、とつぶやくよっきー。
助けを求めるような目線を送るNEKOBITOを見・・・いたたまれなくなったのか、よっきーは1つの提案をした。
「NEKOBITOくん、軽くお茶でもして、その後もう1つ並行してやっている開発事業の方も覗いてみないかい?」
「はい、お供させていただきますー。だからたすけてー!」

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LEFT:(絵:キサル)

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その後悪童屋に提出された企画書は、奇しくも時期が重なった難民支援への提案とともに採用されたという。
難民キャンプのテント材に使えば快適な生活が提供できるのではないか・・・その一言は、企画書にあるどんな言葉・・・目標を軽々とクリアした発電効率の値よりもはるかに重いものであったという。

RIGHT:(文:ゆうみ)

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 新素材として開発されたこの太陽電池も、時代が進むにつれて次第に一般へと普及していった。
合併に際しても、旧ヲチ藩に導入された太陽電池から得られるエネルギーによってさまざまな恩恵が得られたことは間違いない事実だ。
とはいえ、やはり太陽電池が一番効果的に機能するのは、日差しの強く雨の少ない砂漠地帯である。
あるいは、そもそも雲などに遮られることのない高空や、それより上の宇宙空間……
涼州藩国が新たな一歩を踏み出すためには、そのような場所への進出も計画されているのだ。



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:派生元のアイドレス|燃料精錬所
:派生先のアイドレス|大規模太陽光発電施設

L:新素材の開発(悪童同盟版) = {
 t:名称 = 新素材の開発(悪童同盟版)(技術)
 t:要点 = 妙な伸縮,小躍り,新素材
 t:周辺環境 = 研究室
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *この新素材(太陽電池)を使うことで燃料を得ることが出来る。
  *新素材を使うことで藩国内の燃料を生産する全ての施設はそれぞれ燃料生産が+10万tされる。
 }
 t:→次のアイドレス = ソル発電システム(施設),宇宙帆の開発(イベント),船外作業士(職業),[[大規模太陽光発電施設]](施設)
}
&Color(red){※};HQボーナスにより燃料増加量が10→15に増加([[根拠>http://p.ag.etr.ac/cwtg.jp/bbs2/19902]])
&Color(red){※};燃料生産地のHQボーナスにより燃料増加量が15→20に増加([[根拠>http://blog.tendice.jp/200804/article_4.html]])

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