核兵器の開発
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&ref(tobira_yocky.jpg);
核実験設備への入り口には、危険マークが大きく描かれた、
その存在自体で立ち入り禁止を主張できる程の重厚な扉が設置...
悪童同盟では、政庁内のセキュリティロックは一般にカードキ...
各人の担当職務によって、カードキーの色は大別されており、...
そして、この扉は最高レベルのセキュリティカードキーでなけ...
&ref(card-key.jpg);
その上、複製が困難な特別製のシリンダー錠でも厳重にロック...
入り口への通路は政庁内でも関係者以外には秘密にされている...
もちろんその通路はここには書けない。
扉をくぐってさらに長い通路を進むと、内外とも厚い金属と超...
このエレベーターには、扉の開閉にも、作動にもセキュリティ...
階下・・・地下深くの部屋にたどり着くまで数分。
そこには、悪童同盟内では最高級の計算能力をもった巨大なコ...
・・・以前よけ藩国のチャットで活躍していた初代ダイス君が...
核兵器の開発は、企画設計をよっきーが、実務をヨルクサが行...
政庁内でも一風変わった雰囲気を持つヨルクサなら、長期間所...
しかし何よりも、ヨルクサの技族としての腕前は一級品であり、
よっきーが安心して仕事を任せられるのはヨルクサを置いて他...
月そのものを要塞にするような相手には、かなりの火力でなけ...
開発当初は燃料気化爆弾と同様に火力をあげる事に重きを置い...
しかし、初代ダイス君でのシミュレート結果で、
最大火力を求めると核爆弾を投下する白夜号もろとも消滅する...
そこでよっきーは核爆弾の威力を抑える方針に路線変更する事...
&ref(chikyu_dokan.jpg);
最終的に仕上がった核兵器は、火力と経済性を両立させる為
外周部にはD-T燃料のレーザー水爆を配置して
中心部に置いたD-D燃料を爆縮させるという方式を採用している。
新型太陽電池の発電効率を上げるために開発された量子ドット...
レーザーの出力を大幅に上昇させることが出来る事に、よっき...
その後のシミュレート結果で威力の調整に成功し、実際の核実...
周辺の水産資源、海底地質、風向きの調査の結果、高知県から6...
準備期間と海流や風向き、各国への周知や折衝などにかかる時...
核実験は二週間後に設定された。
この二週間の間、悪童屋とよっきーは各国への周知と説明−−ど...
実験の前後一週間、総力を挙げて周辺海域の哨戒を行う予定で...
目印もなく、漁場としても使われていない海域を通る船などそ...
万が一のことがあってはいけないからだ。
白夜号による核爆弾の投下がパイロット、コパイロットとして...
実験データの収集もヨルクサによって確実に行われた。
&ref(http://www.cano-lab.org/akudo/bbs/img/1075.jpg);
全てのデータを集めて検証した結果。
威力はシミュレート結果に対し１％以内の誤差。
放射性物質の残留も一般に問題が発生しないと言われているレ...
実験は成功に終わった。
***SS版設定文 [#tf0adbfc]
（長いので非表示にしてあります。ボタンを押して展開してく...
#shrink(SS版設定文){{
ここは悪童同盟の王城地下深くに存在する、政庁内でも一部の...
薄暗いその通路を歩く、大小二つの影があった。
二人は通路の突き当たりに備え付けられたドアの前までたどり...
電子式のカードキーとシリンダー式の鍵を開け、重厚な音とと...
開けてこそ分かったことだがそのドアの厚みは実に10cmを超え...
あたかも銀行の地下にある金庫の扉のような雰囲気をかもし出...
そして扉の内部から漏れ出た光によって二人の顔が照らされる。
大きな影はNEKOBITO。最近悪童同盟に入国した、新進気鋭の技...
そしてもう片方は摂政のよっきー。何の意図があってのことか...
小学生のような小さな外見のアイドレスを好んで着用している...
実際はさして大きくないNEKOBITOの体が長身に見えている。
NEKOBITOを連れてドアをくぐり、再度鍵をかけ終えるとよっき...
「どうしてこんな、と思うかもしれないけどこういうのが意外...
はあ、と生返事を返すNEKOBITOに対して一方的にまくし立てる。
「例えばこのカードキーだけど、僕のは紫だが君のは黄色だよ...
これは光のスペクトルになぞらえたセキュリティクリアラン...
これによって入れる区画が決まっているわけさ。ちょっと偏...
でも、と言い今度はシリンダー錠の鍵を取り出して
「それだけじゃあ侵入者にカードが解析されたりしたらおしま...
こうやって物理的な鍵を用意しておけば、電子的な攻撃しか...
そして逆に電子的な攻撃が出来なければ鍵穴すら出てこない...
「なるほど、残った力ずくで開ける相手には扉の強度自体で対...
「そういうこと。まああの扉の厚みはそれ以外にも理由がある...
そして二人はまた長い通路を歩くと、今度はエレベーターに乗...
エレベーターに乗って何分ほど経っただろうか。沈黙に耐えか...
「こんなセキュリティシステムと、こんな地下深くにまで施設...
いったいここは何をするところなんですか？うちの国はなに...
「面白いものを見せてあげよう、と言ったよね？まあ見れば分...
……あー、多少予備知識が無いと分からないかもだけど、君は...
そのうち否が応でも分かるようになるさ」
「それはそうですけど」
「じゃあヒントをあげようか。うちの国を代表する物というと...
「そりゃあ藩王様……でも物じゃないですよね。燃料生産地は他...
だったら白夜号かな？」
「正解。さすがの洞察力だね。さあ、もうそろそろ着くよ」
エレベーターのドアが開くと、目の前には巨大なコンピュータ...
「これは……」
思わず駆け寄るNEKOBITO。それを見てよっきーが答える。
「ダイス君……そのシリーズ初代の成れの果てだよ。
よけ藩会議室駐屯の役目をXに譲ってからはこちらで使ってい...
旧式だがなかなかこれで計算能力は新型と比べても遜色のな...
不完全ながらぜのすけのOSだってエミュレートできるように...
少なくともこの悪童同盟内では最高級の計算能力をもったコ...
……だがそれすらも単なる手段に過ぎない」
いつの間にか、よっきーの表情からはいつもの人懐こい笑みは...
それに気づいたNEKOBITOの背筋に冷たいものが走る。
「さっき、この国を象徴するのは白夜号だ、と言ったよね。
白夜号はステルス機。誰にも見られず飛行することが特徴の...
だがそれならばなぜ白夜という名前なのか考えたことはある...
何故闇夜号や無明号のような、ただ闇や不可視を象徴するよ...
「白夜……それは夜になっても沈まない太陽……太陽？まさか！？」
「その通り。ぼくらは、悪童同盟は……」
「このニューワールドに人工の太陽を現出させる。それはすな...
「「核融合だ」」
よっきーの声に誰かの声が重なり、巨大なコンピュータの影か...
「紹介しよう。彼は悪童同盟新兵器開発主任のヨルクサくんだ。
最近はずっとこちらに篭って開発に専念してもらっていたか...
ヨルクサくん、彼が前話したNEKOBITOくんだよ。」
ヨルクサは屋内であるにもかかわらずかけっぱなしのサングラ...
NEKOBITOのほうを値踏みするように見つめた。
「使えるかどうかは、使ってから確認してやってくれないかな。
それよりも、頼んでおいたシミュレーションの結果はもう出...
ヨルクサは無言で近くのコンソールのキーボードをたたき出す。
すると天井から光が投射され、床に悪童同盟全土の立体映像を...
「まあ、見れば分かると思うけどこれが悪童同盟の全体図だね」
「これが王城で……、こっちに並んでるのが藩王様の家とりんく...
「そうそう。じゃあヨルクサくん、一度シミュレーション結果...
ヨルクサがまたキーを叩くと、画面上に黒いマークが現れた。
「これ……白夜号ですよね？」
「そうだよ。原寸と比べるととてつもなくでかい表示になって...
ほどなくして白夜号のマーカーは藩国内を北上するように移動...
そしてマーカーが藩国の中心部に到達すると、その上に９とい...
黒いマーカーはそのまま北上を続けるが、数字はその場に留ま...
「これって、カウントダウン……？」
「まあ見ていれば分かるさ」
白夜号のマーカーが地図上から消えたのとほぼ同時に、藩国中...
その瞬間数字は大きな火の玉へと変わり、加熱によって生み出...
「む……ちょっと演出過剰じゃない？」
火の玉の閃光に目をやられたのか、よっきーが顔をしかめてヨ...
当のヨルクサはどこ吹く風といった顔で、二人分のサングラス...
「それでサングラスをかけていたんですね……うわ、これは……」
NEKOBITOがサングラスを受け取って再度地図に目をやると、
ちょうど中心部にあった悪童屋四季と奥羽りんくの家は爆発に...
そのすぐ横にあったオアシスも爆発の熱によってほぼ蒸発して...
都市部の居住区にも城壁越しに被害が広がっており、爆発の威...
「これが核の威力なのか……」
「「いやいや」」
NEKOBITOのつぶやきに、再度二人の返答が重なる。見ればいつ...
「これを見せるのが目的なら、''終わってからサングラスは渡...
その言葉に一瞬NEKOBITOの呼吸が止まる。
「これはTB……サーモバリック爆弾、言い換えれば燃料気化爆弾...
よっきーがヨルクサに視線をやると、心得たとばかりに次々と...
「これから見せるのが本命。NB、つまり核爆弾のシミュレーシ...
どんな結果になるかは僕も知らないから、まあ実際に見てみ...
「危険はないですよね？」
「シミュレーションで、僕らに危険？まさかそんなことはない...
再度ヨルクサに視線をやるがヨルクサの表情は変わらない。
「ま、作った人が作った人だから。っていうことで」
「それは安心すべきなんですかそれとも心配すべきなんですか」
「それくらい自分で判断しなよ」
「さっき名前を聞いたばかりの人をどう判断しろと……」
「ははは、そんなことよりそろそろ始まるよ」
既にシミュレーションは中ほどに差し掛かっており、
白夜号を示す黒いマーカーは再度藩国中心部に不吉な数字を残...
４……３……２……
数字が一つ小さくなるごとに、空気に緊張感が増してゆく。
１……
ゴクリ、とよっきーののどが鳴った。
そして……０！
目もくらむような閃光が熱をすらもって部屋の中を覆いつくす。
サングラス越しとはいえ、直視に耐えられるような代物ではな...
NEKOBITOもよっきーも思わず腕で目を覆って顔を背けた。
閃光は一秒もしないうちに収まったが、二人が視線を戻すとそ...
先ほどの燃料気化爆弾のシミュレーションとは比較にならない...
藩国全土を覆い尽くしてまだ有り余るほど巨大なきのこ雲がそ...
やがてきのこ雲が風によって少しずつ流されていくと、
もと藩国のあった場所が綺麗に消滅して海の一部になっている...
「……む、とりあえずは成功といったところかな？」
満足げな声でよっきーがつぶやくのを聞いてNEKOBITOがあわて...
「と、とりあえずって藩国消えちゃいましたよ！ものの見事に！
地図の書き換えが必要ってレベルじゃないですよこれ！」
「まあまあ、別に本当にうちの国に撃つわけじゃないんだから……
それはそれとしてヨルクサくん、白夜のほうは？」
「無事だな。99.978%の確率で。」
「ふうむ……超音速飛行の出来ない白夜じゃこのあたりが限界か...
念のために出力をあと2%ほど落としておいてもらえるかな」
「これ以上落とすとなると少々面倒だな。やってはみるが」
「ちょっと待ってください……じゃあ何ですか？
これは核爆弾の''威力を抑える''実験のシミュレーションだ...
「そういうこと。開発当初は何も考えずに大火力だけを追求し...
投下後に白夜号自身が真っ黒焦げに……ってまあもとから白夜...
でもね。広島県を地図から消し去り、月そのものを要塞にす...
これくらいの火力がないと対抗できないと僕らは考えていた...
ヨルクサに代わってキーを叩くよっきー。
「これが初期型のシミュレーション結果だよ。当時は立体映像...
静止画しか見せられないけどね」
（画像は開発中のものです。実物とは異なる場合があります）
「遠近感が分かりにくいと思うけど、大体これ一発で北海道が...
火力と経済性を両立させるために、外周部にはD-T燃料のレー...
中心部に置いたD-D燃料を爆縮させるという方式をとっていて...
構造は違うものの、いまでもこの思想は引き継がれているの...
レーザー水爆の仕組みについては説明しなくても大丈夫だよ...
「きれいな水爆、ですよね。核融合反応に必要な超高温と超高...
普通はウランやプルトニウムによる原子爆弾を使うところを...
そのせいで残留放射能はほとんど発生しないとか」
「それだけわかっていれば充分だね。核融合を多段階で反応さ...
種火を一度燃えやすい紙にうつしてから焚き火に火をつける...
まあその種火のレーザーすら確保するのに莫大なエネルギー...
「そこに関してはちょうどいい技術が同時に開発されていたか...
「うん、NEKOBITO君も開発に関わってた新型の太陽電池だね」
「太陽電池ですか？……なるほど、量子ドットの作成技術ですね」
「そうそう。レーザーの発振素子の作成に量子ドット技術を応...
レーザーの出力を大幅に上昇させることが出来るって偶然気...
まあ光を電気に変えることと電気を光に変えることなわけだ...
後から考えてみれば別段不思議なことでもなかったんだけど...
「そう単純な話でもなかったがな……まあその話は後でいい。」
「本題に入ろう。実験の許可は下りたのか？」
「結論から言えば、ＧＯだよ。実験場を国内に用意するわけに...
600kmほど南の海上でやってもらうことになるはずだ。」
「周辺に被害は出ないようになってるんですよね？」
「もちろん周辺海域の哨戒はするし、各国にもこちらから周知...
それに好き好んで目印も何もないようなところにやってくる...
放射性物質もほとんど出ないはずだから、問題は周辺の水産...
それについても漁場として使われてない場所を選んであるか...
ふう、とため息をつくNEKOBITO。
「なるほど。じゃあ僕にその実験に立ち会ってこい、というわ...
「いや、そうじゃないよ。白夜号のパイロットには松が志願し...
「コパイロットは俺がやる。データ収集用プローブの操作も必...
「じゃあ僕は何のためにここに呼ばれたんです？
まさか本当に面白いものを見せようって言うだけじゃないで...
「万が一だ。万が一俺がいなくなった時に跡を継げる奴が欲し...
……摂政には無理を言った」
そういってヨルクサはサングラスを外してポケットへと収める...
NEKOBITOの頭をぽん、と叩いて部屋を退出しどこかへと去って...
「どういうことです？技術者ならキサルさんだって……」
「彼女は確かに優秀な技術者だが、だからこそ彼女じゃだめな...
今はまだ分からないかもしれないけど、それでいいんだよ」
「そういうもの、ですか……」
「そういうものさ。さあ、そろそろ僕らも上に戻ろうか。
万が一が起きないためにも、白夜号をしっかり整備してやっ...
「はい」
これより二週間後、南の海に大きなきのこ雲が上がった。
それは天を支える柱のようにそびえ立ち、はるか北海島からも...
}}
----
:派生元のアイドレス|燃料気化爆弾
:派生先のアイドレス|核の封印
Ｌ：核兵器の開発 ＝ ｛
ｔ：名称 ＝ 核兵器の開発（技術）
ｔ：要点 ＝ 研究者，遮光眼鏡，キノコ雲
ｔ：周辺環境 ＝ 実験場
ｔ：評価 ＝ なし
ｔ：特殊 ＝ ｛
＊宇宙戦でミサイルを使用した攻撃では評価に＋４される。
＊国家間外交において＋４の修正を得る
＊国家の支持率は−３０％される。
＊相手国の使用した場合、相手国の施設３０％が破壊され...
｝
ｔ：→次のアイドレス ＝ 核の拡散（強制イベント），絶滅...
｝
終了行:
[[イグドラシル]]
&ref(tobira_yocky.jpg);
核実験設備への入り口には、危険マークが大きく描かれた、
その存在自体で立ち入り禁止を主張できる程の重厚な扉が設置...
悪童同盟では、政庁内のセキュリティロックは一般にカードキ...
各人の担当職務によって、カードキーの色は大別されており、...
そして、この扉は最高レベルのセキュリティカードキーでなけ...
&ref(card-key.jpg);
その上、複製が困難な特別製のシリンダー錠でも厳重にロック...
入り口への通路は政庁内でも関係者以外には秘密にされている...
もちろんその通路はここには書けない。
扉をくぐってさらに長い通路を進むと、内外とも厚い金属と超...
このエレベーターには、扉の開閉にも、作動にもセキュリティ...
階下・・・地下深くの部屋にたどり着くまで数分。
そこには、悪童同盟内では最高級の計算能力をもった巨大なコ...
・・・以前よけ藩国のチャットで活躍していた初代ダイス君が...
核兵器の開発は、企画設計をよっきーが、実務をヨルクサが行...
政庁内でも一風変わった雰囲気を持つヨルクサなら、長期間所...
しかし何よりも、ヨルクサの技族としての腕前は一級品であり、
よっきーが安心して仕事を任せられるのはヨルクサを置いて他...
月そのものを要塞にするような相手には、かなりの火力でなけ...
開発当初は燃料気化爆弾と同様に火力をあげる事に重きを置い...
しかし、初代ダイス君でのシミュレート結果で、
最大火力を求めると核爆弾を投下する白夜号もろとも消滅する...
そこでよっきーは核爆弾の威力を抑える方針に路線変更する事...
&ref(chikyu_dokan.jpg);
最終的に仕上がった核兵器は、火力と経済性を両立させる為
外周部にはD-T燃料のレーザー水爆を配置して
中心部に置いたD-D燃料を爆縮させるという方式を採用している。
新型太陽電池の発電効率を上げるために開発された量子ドット...
レーザーの出力を大幅に上昇させることが出来る事に、よっき...
その後のシミュレート結果で威力の調整に成功し、実際の核実...
周辺の水産資源、海底地質、風向きの調査の結果、高知県から6...
準備期間と海流や風向き、各国への周知や折衝などにかかる時...
核実験は二週間後に設定された。
この二週間の間、悪童屋とよっきーは各国への周知と説明−−ど...
実験の前後一週間、総力を挙げて周辺海域の哨戒を行う予定で...
目印もなく、漁場としても使われていない海域を通る船などそ...
万が一のことがあってはいけないからだ。
白夜号による核爆弾の投下がパイロット、コパイロットとして...
実験データの収集もヨルクサによって確実に行われた。
&ref(http://www.cano-lab.org/akudo/bbs/img/1075.jpg);
全てのデータを集めて検証した結果。
威力はシミュレート結果に対し１％以内の誤差。
放射性物質の残留も一般に問題が発生しないと言われているレ...
実験は成功に終わった。
***SS版設定文 [#tf0adbfc]
（長いので非表示にしてあります。ボタンを押して展開してく...
#shrink(SS版設定文){{
ここは悪童同盟の王城地下深くに存在する、政庁内でも一部の...
薄暗いその通路を歩く、大小二つの影があった。
二人は通路の突き当たりに備え付けられたドアの前までたどり...
電子式のカードキーとシリンダー式の鍵を開け、重厚な音とと...
開けてこそ分かったことだがそのドアの厚みは実に10cmを超え...
あたかも銀行の地下にある金庫の扉のような雰囲気をかもし出...
そして扉の内部から漏れ出た光によって二人の顔が照らされる。
大きな影はNEKOBITO。最近悪童同盟に入国した、新進気鋭の技...
そしてもう片方は摂政のよっきー。何の意図があってのことか...
小学生のような小さな外見のアイドレスを好んで着用している...
実際はさして大きくないNEKOBITOの体が長身に見えている。
NEKOBITOを連れてドアをくぐり、再度鍵をかけ終えるとよっき...
「どうしてこんな、と思うかもしれないけどこういうのが意外...
はあ、と生返事を返すNEKOBITOに対して一方的にまくし立てる。
「例えばこのカードキーだけど、僕のは紫だが君のは黄色だよ...
これは光のスペクトルになぞらえたセキュリティクリアラン...
これによって入れる区画が決まっているわけさ。ちょっと偏...
でも、と言い今度はシリンダー錠の鍵を取り出して
「それだけじゃあ侵入者にカードが解析されたりしたらおしま...
こうやって物理的な鍵を用意しておけば、電子的な攻撃しか...
そして逆に電子的な攻撃が出来なければ鍵穴すら出てこない...
「なるほど、残った力ずくで開ける相手には扉の強度自体で対...
「そういうこと。まああの扉の厚みはそれ以外にも理由がある...
そして二人はまた長い通路を歩くと、今度はエレベーターに乗...
エレベーターに乗って何分ほど経っただろうか。沈黙に耐えか...
「こんなセキュリティシステムと、こんな地下深くにまで施設...
いったいここは何をするところなんですか？うちの国はなに...
「面白いものを見せてあげよう、と言ったよね？まあ見れば分...
……あー、多少予備知識が無いと分からないかもだけど、君は...
そのうち否が応でも分かるようになるさ」
「それはそうですけど」
「じゃあヒントをあげようか。うちの国を代表する物というと...
「そりゃあ藩王様……でも物じゃないですよね。燃料生産地は他...
だったら白夜号かな？」
「正解。さすがの洞察力だね。さあ、もうそろそろ着くよ」
エレベーターのドアが開くと、目の前には巨大なコンピュータ...
「これは……」
思わず駆け寄るNEKOBITO。それを見てよっきーが答える。
「ダイス君……そのシリーズ初代の成れの果てだよ。
よけ藩会議室駐屯の役目をXに譲ってからはこちらで使ってい...
旧式だがなかなかこれで計算能力は新型と比べても遜色のな...
不完全ながらぜのすけのOSだってエミュレートできるように...
少なくともこの悪童同盟内では最高級の計算能力をもったコ...
……だがそれすらも単なる手段に過ぎない」
いつの間にか、よっきーの表情からはいつもの人懐こい笑みは...
それに気づいたNEKOBITOの背筋に冷たいものが走る。
「さっき、この国を象徴するのは白夜号だ、と言ったよね。
白夜号はステルス機。誰にも見られず飛行することが特徴の...
だがそれならばなぜ白夜という名前なのか考えたことはある...
何故闇夜号や無明号のような、ただ闇や不可視を象徴するよ...
「白夜……それは夜になっても沈まない太陽……太陽？まさか！？」
「その通り。ぼくらは、悪童同盟は……」
「このニューワールドに人工の太陽を現出させる。それはすな...
「「核融合だ」」
よっきーの声に誰かの声が重なり、巨大なコンピュータの影か...
「紹介しよう。彼は悪童同盟新兵器開発主任のヨルクサくんだ。
最近はずっとこちらに篭って開発に専念してもらっていたか...
ヨルクサくん、彼が前話したNEKOBITOくんだよ。」
ヨルクサは屋内であるにもかかわらずかけっぱなしのサングラ...
NEKOBITOのほうを値踏みするように見つめた。
「使えるかどうかは、使ってから確認してやってくれないかな。
それよりも、頼んでおいたシミュレーションの結果はもう出...
ヨルクサは無言で近くのコンソールのキーボードをたたき出す。
すると天井から光が投射され、床に悪童同盟全土の立体映像を...
「まあ、見れば分かると思うけどこれが悪童同盟の全体図だね」
「これが王城で……、こっちに並んでるのが藩王様の家とりんく...
「そうそう。じゃあヨルクサくん、一度シミュレーション結果...
ヨルクサがまたキーを叩くと、画面上に黒いマークが現れた。
「これ……白夜号ですよね？」
「そうだよ。原寸と比べるととてつもなくでかい表示になって...
ほどなくして白夜号のマーカーは藩国内を北上するように移動...
そしてマーカーが藩国の中心部に到達すると、その上に９とい...
黒いマーカーはそのまま北上を続けるが、数字はその場に留ま...
「これって、カウントダウン……？」
「まあ見ていれば分かるさ」
白夜号のマーカーが地図上から消えたのとほぼ同時に、藩国中...
その瞬間数字は大きな火の玉へと変わり、加熱によって生み出...
「む……ちょっと演出過剰じゃない？」
火の玉の閃光に目をやられたのか、よっきーが顔をしかめてヨ...
当のヨルクサはどこ吹く風といった顔で、二人分のサングラス...
「それでサングラスをかけていたんですね……うわ、これは……」
NEKOBITOがサングラスを受け取って再度地図に目をやると、
ちょうど中心部にあった悪童屋四季と奥羽りんくの家は爆発に...
そのすぐ横にあったオアシスも爆発の熱によってほぼ蒸発して...
都市部の居住区にも城壁越しに被害が広がっており、爆発の威...
「これが核の威力なのか……」
「「いやいや」」
NEKOBITOのつぶやきに、再度二人の返答が重なる。見ればいつ...
「これを見せるのが目的なら、''終わってからサングラスは渡...
その言葉に一瞬NEKOBITOの呼吸が止まる。
「これはTB……サーモバリック爆弾、言い換えれば燃料気化爆弾...
よっきーがヨルクサに視線をやると、心得たとばかりに次々と...
「これから見せるのが本命。NB、つまり核爆弾のシミュレーシ...
どんな結果になるかは僕も知らないから、まあ実際に見てみ...
「危険はないですよね？」
「シミュレーションで、僕らに危険？まさかそんなことはない...
再度ヨルクサに視線をやるがヨルクサの表情は変わらない。
「ま、作った人が作った人だから。っていうことで」
「それは安心すべきなんですかそれとも心配すべきなんですか」
「それくらい自分で判断しなよ」
「さっき名前を聞いたばかりの人をどう判断しろと……」
「ははは、そんなことよりそろそろ始まるよ」
既にシミュレーションは中ほどに差し掛かっており、
白夜号を示す黒いマーカーは再度藩国中心部に不吉な数字を残...
４……３……２……
数字が一つ小さくなるごとに、空気に緊張感が増してゆく。
１……
ゴクリ、とよっきーののどが鳴った。
そして……０！
目もくらむような閃光が熱をすらもって部屋の中を覆いつくす。
サングラス越しとはいえ、直視に耐えられるような代物ではな...
NEKOBITOもよっきーも思わず腕で目を覆って顔を背けた。
閃光は一秒もしないうちに収まったが、二人が視線を戻すとそ...
先ほどの燃料気化爆弾のシミュレーションとは比較にならない...
藩国全土を覆い尽くしてまだ有り余るほど巨大なきのこ雲がそ...
やがてきのこ雲が風によって少しずつ流されていくと、
もと藩国のあった場所が綺麗に消滅して海の一部になっている...
「……む、とりあえずは成功といったところかな？」
満足げな声でよっきーがつぶやくのを聞いてNEKOBITOがあわて...
「と、とりあえずって藩国消えちゃいましたよ！ものの見事に！
地図の書き換えが必要ってレベルじゃないですよこれ！」
「まあまあ、別に本当にうちの国に撃つわけじゃないんだから……
それはそれとしてヨルクサくん、白夜のほうは？」
「無事だな。99.978%の確率で。」
「ふうむ……超音速飛行の出来ない白夜じゃこのあたりが限界か...
念のために出力をあと2%ほど落としておいてもらえるかな」
「これ以上落とすとなると少々面倒だな。やってはみるが」
「ちょっと待ってください……じゃあ何ですか？
これは核爆弾の''威力を抑える''実験のシミュレーションだ...
「そういうこと。開発当初は何も考えずに大火力だけを追求し...
投下後に白夜号自身が真っ黒焦げに……ってまあもとから白夜...
でもね。広島県を地図から消し去り、月そのものを要塞にす...
これくらいの火力がないと対抗できないと僕らは考えていた...
ヨルクサに代わってキーを叩くよっきー。
「これが初期型のシミュレーション結果だよ。当時は立体映像...
静止画しか見せられないけどね」
（画像は開発中のものです。実物とは異なる場合があります）
「遠近感が分かりにくいと思うけど、大体これ一発で北海道が...
火力と経済性を両立させるために、外周部にはD-T燃料のレー...
中心部に置いたD-D燃料を爆縮させるという方式をとっていて...
構造は違うものの、いまでもこの思想は引き継がれているの...
レーザー水爆の仕組みについては説明しなくても大丈夫だよ...
「きれいな水爆、ですよね。核融合反応に必要な超高温と超高...
普通はウランやプルトニウムによる原子爆弾を使うところを...
そのせいで残留放射能はほとんど発生しないとか」
「それだけわかっていれば充分だね。核融合を多段階で反応さ...
種火を一度燃えやすい紙にうつしてから焚き火に火をつける...
まあその種火のレーザーすら確保するのに莫大なエネルギー...
「そこに関してはちょうどいい技術が同時に開発されていたか...
「うん、NEKOBITO君も開発に関わってた新型の太陽電池だね」
「太陽電池ですか？……なるほど、量子ドットの作成技術ですね」
「そうそう。レーザーの発振素子の作成に量子ドット技術を応...
レーザーの出力を大幅に上昇させることが出来るって偶然気...
まあ光を電気に変えることと電気を光に変えることなわけだ...
後から考えてみれば別段不思議なことでもなかったんだけど...
「そう単純な話でもなかったがな……まあその話は後でいい。」
「本題に入ろう。実験の許可は下りたのか？」
「結論から言えば、ＧＯだよ。実験場を国内に用意するわけに...
600kmほど南の海上でやってもらうことになるはずだ。」
「周辺に被害は出ないようになってるんですよね？」
「もちろん周辺海域の哨戒はするし、各国にもこちらから周知...
それに好き好んで目印も何もないようなところにやってくる...
放射性物質もほとんど出ないはずだから、問題は周辺の水産...
それについても漁場として使われてない場所を選んであるか...
ふう、とため息をつくNEKOBITO。
「なるほど。じゃあ僕にその実験に立ち会ってこい、というわ...
「いや、そうじゃないよ。白夜号のパイロットには松が志願し...
「コパイロットは俺がやる。データ収集用プローブの操作も必...
「じゃあ僕は何のためにここに呼ばれたんです？
まさか本当に面白いものを見せようって言うだけじゃないで...
「万が一だ。万が一俺がいなくなった時に跡を継げる奴が欲し...
……摂政には無理を言った」
そういってヨルクサはサングラスを外してポケットへと収める...
NEKOBITOの頭をぽん、と叩いて部屋を退出しどこかへと去って...
「どういうことです？技術者ならキサルさんだって……」
「彼女は確かに優秀な技術者だが、だからこそ彼女じゃだめな...
今はまだ分からないかもしれないけど、それでいいんだよ」
「そういうもの、ですか……」
「そういうものさ。さあ、そろそろ僕らも上に戻ろうか。
万が一が起きないためにも、白夜号をしっかり整備してやっ...
「はい」
これより二週間後、南の海に大きなきのこ雲が上がった。
それは天を支える柱のようにそびえ立ち、はるか北海島からも...
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:派生元のアイドレス|燃料気化爆弾
:派生先のアイドレス|核の封印
Ｌ：核兵器の開発 ＝ ｛
ｔ：名称 ＝ 核兵器の開発（技術）
ｔ：要点 ＝ 研究者，遮光眼鏡，キノコ雲
ｔ：周辺環境 ＝ 実験場
ｔ：評価 ＝ なし
ｔ：特殊 ＝ ｛
＊宇宙戦でミサイルを使用した攻撃では評価に＋４される。
＊国家間外交において＋４の修正を得る
＊国家の支持率は−３０％される。
＊相手国の使用した場合、相手国の施設３０％が破壊され...
｝
ｔ：→次のアイドレス ＝ 核の拡散（強制イベント），絶滅...
｝
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