[[イグドラシル]]


*大規模太陽光発電施設 [#nadc27eb]

#ref(http://www.cano-lab.org/akudo/bbs3/data/1227457351.JPG,right,around,240x600)

 『新素材の開発』で太陽電池が開発され、それらを運用することで得られた藩国内の総エネルギー量は実にかつての2倍以上であった。
太陽電池の恩恵を目の当たりにした悪童同盟内の国民が藩国内の新しいエネルギー開発計画に対して関心が高かったのも当然のことだろう。
そして、悪童同盟議会で可決された新しいエネルギー開発計画は『大規模太陽光発電施設』『ソル発電システム』という2大プロジェクトであった。

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 さて、こちらでは『大規模太陽光発電施設』の話をしていこう。
太陽光発電とは太陽電池を用いて太陽光のエネルギーを電力に変換し、発電する事をいう。
太陽光発電の発電能力は天候に左右されやすく、他のエネルギー生産より設置面積が多くかかるなどの問題があったが、
悪童同盟は太陽光が長時間降り注ぐ砂漠気候であり砂漠地帯の活用していない不毛の地が多く存在していた。

 これらの立地条件から選ばれたエネルギー開発計画は広大な砂漠の一面に鏡を並べ、
太陽光をある一点に──太陽の塔と後に呼ばれることになる──集めることによって
効率的に大電力を変換して発電する『大規模太陽光発電施設』を建設する事だった。
本来人の住むことのできない砂漠地帯を有効活用するという一石二鳥の開発計画であった。
新臣民の就職支援・自立支援が必要な時期だったことを受けて、
この施設の建設は公共事業と位置づけされて資材資金が投入され完成に至った。

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―――『前は想像だったが…。実際、完成するとなかなか凄い光景だな』
                            施設完成の視察にて―――

 目の前の砂漠だった土地の上に敷き詰められた大量の鏡はすべて太陽光を一点に集める角度に調整されていた。
「太陽に向って鏡が動くさまはまるでひまわりのようだな」
「これが本格稼動すれば、日中に使用されるエネルギーのほとんどはこの施設で変換される電気でまかなえるようになるだろう」
「まあ、理論的にはそうなりますが実際は…」
「変換率もあるだろうからな…。 今度は、日中しか稼動する事ができないこの施設が生産した余剰エネルギーを貯めておける蓄電地の開発が必要だな」
「まだ、開発するのですか?」
「当たり前だ!開発スピードは遅くなるだろうが蓄電池はこれからの宇宙開発においては重度を増してくると思う」
「それと、植物の光合成のエネルギー変換を解明して、利用する実験の方も進めておいてくれ…」
「それ、本気だったんですか?」
「勿論だ! 俺はいつでも本気だよ。 まあ、宜しく頼む」
「はあ、やってみます」

 ひとしきり会話が終わると、悪童屋は目を細めつつも頭上の太陽を見上げた。
宇宙開発──それも深宇宙の開発ともなれば太陽の恩恵とて届かないこともあるだろう。
(この先のことも考えればまだまだ開発の手を緩めるわけにはいかない、か…)
そう思いながらも、悪童屋の頬はなぜか緩んでいるように見えたのだった。

RIGHT:(文:悪童屋 四季)
RIGHT:(絵:NEKOBITO)

#clear

*太陽の塔 [#b6418da9]

 この大規模太陽光発電施設の肝ともいえるのが、施設の中央に設置された集光塔。
通称『太陽の塔』である。
ここではその仕組みについて説明して行こう。

#ref(http://www.cano-lab.org/akudo/bbs/img/1267.jpg,50%)
RIGHT:(絵:キサル)

**太陽電池パネル [#c49ea28f]

 いわずと知れた太陽電池パネルである。
円筒形の外周壁面に配置されており、鏡によって集められた太陽光を電気に変換する。
それゆえ、太陽の塔という名前とは裏腹な真っ黒い外見を持つ原因となっている。
(ただ、黒いステルス機に白夜や白篭などという名前をつけている伝統から考えると
あえてこのような通称を流行らせた可能性が高いとも言われている)

 鏡によって高密度のエネルギーを受け取ることになるこの太陽電池パネルは、
通常使用されるものとは比べ物にならないほどの耐熱性が要求される。
また耐熱温度差や耐食性などにおいても高い性能が要求される。
このためパネル自体の純粋な発電効率においては多少劣ることになったものの、
発電量としては当初の予定通りの充分な性能を得ることができた。

 また、このパネルは日中一定の速度で回転しており、
集光による表面温度の上昇を平均化することで(構造上太陽と反対側の面に多く光が集まる)
熱による発電効率の低下と素材の劣化を抑えることができるようになっている。

**鏡 [#w42b9afe]

 太陽の塔に太陽光を集めるため、周辺に大量配置された鏡であるが、
鏡自体には特に何かの工夫がしてあるわけではなくただの平面鏡である。
こう書くと拍子抜けだがコストを抑えるために太陽電池ではなく鏡にしたのだから
下手に工夫してコストをかけるのは本末転倒であり、妥当な判断だといえるだろう。

 鏡は回転する台座によって太陽光を塔に反射する向きに調整されているが、
その回転は台座自体についている小型の太陽電池パネルの電力によって行われている。
また、太陽光を塔の上下方向に満遍なく分散させるためにそれぞれの鏡で角度を微調整している。

 それ以外に特徴としてあげられる点としては、
一晩で終わらないような大規模メンテナンスが塔で行われるときのために
塔への集光を防ぐためのカーテンが鏡の上部に収納されていることなどがある。

**蓄電池 [#m3cabf4e]

 太陽光発電には時刻や気象条件によって発電能力が変動するという特性があるため、
それ単独では安定した電力供給を行うことは不可能である。
そのため、電源の安定化および夜間の電力供給のために塔内部に大規模なNAS電池が設置されている。

 日中に発生する電力は一旦この電池に蓄えられ、一定の出力で送出されることになる。
夜間には日中に発生した余剰電力を同様に送出することになっているものの、
容量の問題から夜間は工業用の電力まで賄うことができず、住宅への送電のみを行う。
夜間送電が打ち切られる工場などでは独自に発電機を稼動させて発電しているか、
あるいは昼間の安い電気を各自の持つ蓄電池に充電して夜間の利用に充てている。

**送電線 [#p7dfbd63]

 蓄電池に貯めた電気を送り出すための送電線にも一工夫されている。
電線に電流が流れると熱が発生し、この熱エネルギーが送電ロスとなるというのはよく知られている。
また熱を持った電線は抵抗値が増加し、より送電ロスは大きくなる。

 これらの送電ロスを防ぐために、より抵抗値の低い=伝導率の高い素材を開発し、
送電線自体は地中に(地下鉄の線路とともに)通すことによって日中の温度上昇を防いだ。
さらに発生する熱をヒートパイプによって効果的に逃がすことにより、
トータルでの送電ロスを軽減することに成功している。

 ちなみに、送電線として高温超伝導素材を使うという構想もあったものの、
素材コストの高さと冷却などの運用コストから採算が疑問視され見送られた。
今後高温超伝導素材の大量生産による価格低下などが進めば
順次超伝導送電に置換されていく可能性も高いと見られている。 

#ref(towerofsun.jpg,,50%)
RIGHT:(絵:ゆうみ&NEKOBITO)
RIGHT:(文:よっきー)



*没案 [#fb8e1bdf]

 このように建造された大規模太陽光発電施設ではあったが、
もちろん最初から現在の形になるよう計画されていたわけではない。
さまざまな問題によって実現されなかったいくつもの案が歴史の裏には隠れている。
ここではその中から実現に近かったものをいくつか紹介しよう。

**パネル敷き詰め型 [#v79ecad4]

#ref(SolarPanelPlant_small.jpg,around)
 これがいちばんオーソドックスで、大規模太陽光発電施設と言う名称からは想像しやすいだろう。
単にだだっぴろい場所に太陽電池パネルをたくさん設置するというものであり、
パネルを太陽の方向に向けるための台座を除けば構造を非常にシンプルに作ることができるというのが利点である。

 しかしながら太陽電池パネルをこれだけ敷き詰めるためには相当のコストが必要であり、
また太陽電池はソル発電システムにも大量消費される予定があったために
生産能力の問題からこの案は見送られることとなった。

RIGHT:(絵:よっきー)

#clear

**太陽光発電衛星型 [#ib949877]

 静止衛星軌道上に巨大な太陽電池を浮かべることによって、
地球の大気や雲、そして昼夜に関わらず太陽光のエネルギーを取り出し、
レーザーとして地上の受光施設に送ることで安定した電力供給を行うというのがこの案である。

 このレーザーのエネルギー密度はそれほど高くないものではあったが、
スペースデブリ等による事故が起きるかもしれないという民間からの声と
レーザー兵器に転用される可能性を国際社会に指摘されかねないということで採用されなかった。

**都市計画型 [#sb8d366e]

 人口増加に伴うニュータウンの建設に際して、
それらの住宅をはじめとする建造物の屋根や壁面に太陽電池パネルを配することで
専用の敷地を設けなくても大量の発電量を見込むというのがこの案である。

 電力消費地で直接電気を生産することによって送電ロスを抑える効果もあったが、
景観上の問題や配電管理システムの複雑化などが課題となっている。

 最近では薄膜型太陽電池の登場により、二層のガラスの間に太陽電池を挟みこむことで
断熱性と発電および外部からの覗き見防止等のできる多機能素材が開発されており、
当初の計画ほど大規模ではないものの一部のオフィスビル等をはじめとした
日中に電力需要が増えるような施設では採用されはじめている。

RIGHT:(文:よっきー)

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:派生元のアイドレス|新素材の開発(悪童同盟版)(技術)
:派生先のアイドレス|なし

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&Color(red){※};新素材の開発(悪童同盟版)のHQボーナスにより     ([[根拠>http://p.ag.etr.ac/cwtg.jp/bbs2/19902]])
&Color(red){※};燃料生産地のHQボーナスにより     ([[根拠>http://blog.tendice.jp/200804/article_4.html]])

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