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  [No.1158] HQB狙うぜ!ツリー2 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/01(Tue) 01:29:16

今回は西国人+整備士+整備士の枝を強化するツリーです。

主にはNEKOBITOくんがかわいいイラストを作成してくれているので、それを生かす方向で!


  [No.1159] パイロットの猫 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/01(Tue) 01:30:53
パイロットの猫 (画像サイズ: 480×480 21kB)

NEKOBITOくん作、パイロットの猫です。


  [No.1160] 倉庫 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/01(Tue) 01:32:14
倉庫 (画像サイズ: 700×500 64kB)

NEKOBITOくん作倉庫です。


  [No.1163] 整備士レベル向上SS 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/01(Tue) 11:08:54

立国時とは状況がかわったから、レベルアップしなきゃね、というお話です。
出だしが化学工場の設定文に見えるのはなんとかならんもんでしょうかー(むー

/*/

悪童同盟は、化学工場を立ち上げることになった。
燃料を燃料以外のものに変えるプラントである。
いわば燃料は血。そこから肉となるものを作り出すのが化学工場。
肉を作るのは初めての試みとなる。

そして領民の増加に伴て経験の浅い者が増え、全体を見ると作業者のレベルの低下も憂慮された。
少数精鋭の時と今は違う。
誰もが最低限のレベル−普通からすればそれはとても高いレベルであったが−を維持しなければ成功は無い。
それどころか、ほんの少しの失敗が大事故の原因ともなり得る。

また、建設して日が浅い施設群はメンテナンス方法の確立がされておらず、整備士の力量によってそのクオリティが大きく変わってしまうという状況だった。

悪童同盟が新しい道を進む為には、技術者達のレベルの底上げが急務だと、そう思った。

「一人一人の技術レベルは高く、誇れるものだと思う。しかし、それだけでは足りないのだ」

数々の工場を立ち上げ、白夜号という他のどの国にもない航空機の整備も行っている。
が、何かおかしい。

悪童屋が感じたことは、あの工場とこの工場では常識が違う、ということだった。
もちろん、生産するものも使う機器類も全く違う。
だがそれだけではない。

燃料系の工場では白夜号の整備に見られるような、ボルト1本、溶接1箇所にまでできる限りのクオリティを求める思いが足りないように思う。
反対に、アイドレス工場では燃料生産地や燃料精錬所で見られるような、細かな温湿度管理や危険防止の意識が薄いように感じる。
もちろん、ここまでやれば充分、これ以上は無駄という線引きはあるだろう。
しかし、それを鑑みてもこの温度差は大きすぎるのではないだろうか。

どう考えても、分野の違いがクオリティの向上を阻害しているとしか思えなかった。

まずは技族達を集めて、何故ここまで差があるのか原因を追究した。
「しかし、彼らは充分すぎるくらいの働きをしてくれているのに、何故こんなに意識の差が生まれたんだろうか」
「標準化と横展開が不足しているんですよ。突貫工事の弊害ともいえますね」
「確かに。突貫工事に携わった作業者と、そうでない作業者では、力量が全く違いますね」
「作ることばかりにかまけていて、自分達は人を育てるという部分をおろそかにしてしまっていたのか・・・」
それが、答えだった。


アイドレス工場の主任から町工場のおっちゃんに至るまで、全てのノウハウを公開させた。
最初は「これを盗まれちゃ商売あがったりだぜ」と渋っていた国民たちも多かったが
「国が富めば必ず国民も豊かになります。だから、おねがいします」と頭を下げ
「少しでも危険を減らしたいんだよ。事故があってからは遅いんだ」と安全の重要性を説き
「いやー、最近の若い子は全然わかってないからさ、おっちゃんが叩きなおしてやってよ」と持ち上げ
「みなさんの技術力が上がるんです。ええとそれと、研修を受けたらこの部隊章がもらえますよ」と物で釣った。

物で釣る、という方法においては、猫が工具を持った姿をかたどった部隊章が一役買った。
愛嬌のあるデザインはNEKOBITOの手によるもの。
それを時野あやのとテノレが内職がてら量産した、というわけだ。

女性陣には「かわいい」と人気で、男の子達には「かっこいいな」と憧れを抱かせた。
後に聞いた話では、妻や子供にいいところを見せる為に整備のせの字も知らないところから
素人には厳しすぎる研修を受けて見事合格し、部隊章を誇らしげに見せたという夫や父親も少なくなかったそうだ。


集めたデータを分析したところ、
特に町工場の技術は非常に狭い分野ではあるが、技族達も知らないような高レベルなものが多かった。

「これはここに応用できるんじゃないか?」
「そうだな。けれど、ここまでできるようになるにはかなりの訓練が必要だぞ」
「そこは工具や作業方法で補えないかな」
「そうか、一般的な機器だとこういう方向にワークが設置されるから難しいけれど・・・」
「この作業をする時だけこっちに向くように、専用の治具か作業台を用意してやれば!」
「いけるな!」
「砂漠の昼夜の温度差がここまでクオリティに響いてくるのか。恐ろしいな」
「そこは以前、エネルギーを食いまくるのでオミットした部分なんですが、太陽電池を使えばいけます」
「メンテナンス性はどうだ?」
「燃料精錬所では安全面から、確認窓に強度の高い材質を使っているんです」
「そうか、アイドレス工場にもこれがあったほうがいいな」
「そうですね。あの時はまだこの技術は確立されていなかったですから。キサルさんの案なんですよ」
「えへへ。単純なことだけど、これってほんと重要なんだよ?」

夜を徹して熱い会議が行われ、結果、3つの方針が決定した。

『一、安全面、作業性を考慮した作業環境を実現し、それを維持できる力量をつけさせること』
『一、ノウハウを提供してくれた国民達に報いること』
『一、国民達が仕事に誇りを持てるようにすること』

まずは中堅作業者の工場間の異動を行った。
ここでまず、常識の違いを見せつけることにしたのだ。
中堅の作業者であれば、自分が今までやっていた仕事に対する理解もあり、かつ、まだ凝り固まっていない。
お互いの短所と長所におどろき、ベテラン作業者へ話をした。

その頃合を見計らって、ベテラン作業者の交流を行った。
彼らは他の施設との温度差が、部下達から聞いている以上に大きいことを知った。
『藩王は、技族達は、この事を言っていたのか』と衝撃が走った。

そして、技族達から改善提案を行った。
こうすればいいんじゃないかと考えたが、もっといい案はないか。
現場の事だ。自分達よりもみんなの方がずっとわかっているだろう?
ベテラン作業者の心が燃えた。

「暫くの間、生産を止めてもいい。技術研修を行うんだ」

悪童屋の指示の下、藩国をあげての大事業が始まった。
指差し確認から始まり、工具のメンテナンス、いい材料の見分け方、溶接の穴の見つけ方・・・。
その内容は多岐にわたった。
講師役はトップの技族から、町工場のおっちゃんまで。
各々の得意分野を叩き込みあった。


1週間。
お祭りのような雰囲気の研修期間が終了し、悪童屋から受講者達に部隊章が手渡された。
ありがたくおし抱く者、なんてこたないさと笑って受け取る者、バンザイをした拍子にもらった部隊章を落としかけてあわてる者。
皆の反応は十人十色であったが、彼らが確実に一つになっていると思えた。

整備士達の作業服に輝く猫の部隊章は彼らの誇りとなり、今日も悪童同盟を支え続けるのだった。


  [No.1167] 鉱石ラジオと整備士(SS) 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/02(Wed) 01:47:40

果てしなく時事ネタ&好きな歌手ネタですみませんー。
よっきーからもらった「子供のおもちゃを直す」SSをつくりました。


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「くそっ、上手くいかねぇなぁ」
「何やってんだよ、そんなムキになって」
「いや、そこの難民キャンプにいた子供がさ、壊れた鉱石ラジオを大事そうに持っててよ」
「その鉱石ラジオってのがそれか?」
「ああ、そうなんだよ。簡単そうに見えて、これが結構・・・うーん、おまえ、見てくれないか?」
考え込む友人の手から鉱石ラジオを受け取った。

実物は初めて見るが、さして難しい仕組みでもないようだ。
一見して受信機能を司る部分の破損が原因だとわかった。
本来であれば結晶に接触しているはずの細い金属線−通称「猫のひげ」−が折れており受信機としての機能が失われていたのだ。
「んーっと。これ、金属線を新しいのに換えてやったらすぐ直るぜ」
「さすがは整備士様、だな」
ウィンクする友人に、苦笑でこたえる。
「だがその整備士様も、材料がないんじゃどうしようもない。工具箱には入れてないんだ」
「んーっと、この太さの金属線、どっかにないかな?」
二人で周囲を探す。

「ちょっとまてよ・・・?」
確か胸ポケットにあれを入れていたはずだ。
うん、あった。
「これを使おう」
「なんで真鍮線持ってるんだ?」
「掃除用の真鍮ブラシの線が折れてね。ゴミはその場で回収するのが鉄則だから」
ポケットに入れたまま、捨てるのをわすれてたんだよ、と、また苦笑した。
「仕事以外では結構忘れっぽい性格だよなぁ、おまえ」
「いいんだよ、ちゃんと仕事ができてればさー」
友人から子供たちの様子を聞きながら、新しい猫のひげをつけてやった。
さて、音は出るだろうか?

スイッチを入れ、つまみをまわす。
ザーっという音の中で、人の声が聞こえるところがあった。
このチャンネルにあわせればいいのかな?

≪ここにラジオの文言をいれる≫

「おっ、きこえたぞ」
「早速持っていこうぜ」
友人に連れられるまま、難民キャンプへ入っていった。
最近開発された太陽電池を使ったテントが立ち並んでいる。

「よっ、坊主!直ったぜ!」
「ありがとう、おにいちゃん!」
「お礼はこっちの兄ちゃんに言ってやってくれ」
笑顔でこちらを振り向く友人と、驚いた表情で見つめる子供の視線が少し気恥ずかしかった。
「すごいね!ありがとう!」
にっこりと笑った口元から見える真っ白な歯がまぶしい。
整備士の部隊章をそっと触って、この子の笑顔に出会えた幸せに感謝した。


  [No.1182] 少女の夢 整備士(SS) 投稿者:ゆうみ  投稿日:2008/07/07(Mon) 23:39:29

どっかのアニメみたいなタイトルといわれても仕方なし・・・。


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わたしも名整備士に、整備の神様になって・・・藩王様のスバル360を整備するんだ!
そんな夢を胸に抱き、少女はアイドレス工場に向かった。

(女で、しかもわたし子供っぽいから、入れてももらえないんじゃないかしら?)

それなら、男になればいい。
短絡的な考え方ではあったが、何事もトライ&エラーだと、ちょっとした変装をしてみる事にした。

幸い、健康的に日焼けした肌に、細身の体。
体のラインが出にくい服を着て、ターバンの中へ髪を隠せば少年に見える。

(砂で顔を汚しておこう。ちょっとでも男の子に見えるかな?)

鏡を見て、よし、これならと胸を張り、アイドレス工場へと向かった。

そこでは男たちが何やら搬入を行っていた。
「子供がウロチョロすんな!あぶねぇぞ!」
「わ、わた・・・俺だって整備士になるんだ!若いからいっぱい働けるぞ!」
「そんな細っこい体でか?」
「あ、ああ。大丈夫さ!」
「じゃあそこの荷物、向こうの置き場まで持っていってみな!それができたら教えてやるよ!」
「わかった!」
バカにした言い方じゃない。自分は試されているのだ。

中には部品らしきものが入っていた。持ってみると、ふらつきそうなくらいの重さだ。
30kgはあるだろうか。

(この箱を落としたら、中の部品が壊れちゃう・・・!)

大人達は大きな手で箱の持ち手を握り、軽々と運んでいく。
しかし自分は同じ持ち方では向こうまでたどり着く事は到底できなさそうだ。
少女はどうやって持てば安定するか、必死で考えた。

(そうだっ!)

視線の先には、積んだ箱がずり落ちないようにゆわえていたロープが落ちていた。
それを拾って、持ち手の穴に通し、背中を通ってもう一方の持ち手にくくり付け、体全体を使って箱を持ち上げた。
箱の下辺が腰の位置で止まっているので、バランスは崩れない。
あとは足さえ動けば・・・!

少女の体重とさして変わらない重さの箱。いわば彼女の足は、彼女二人分を支えているに等しい。
サンダルが砂地に食い込んで、足が痛くなるが、一歩一歩前へと進んだ。
指定された置き場へたどり着いた頃には、もういっぱいいっぱいだった。

(でも、これをきちんと置くまでが仕事なんだから!)

最後の力を振り絞って、そっと箱を下ろす。
肩にかけていた紐から体を抜いたら、気まで抜けてその場にへなへなと座り込んでしまった。

「おじょうちゃん、よくやったな!」
周囲の作業者全員が拍手を贈る。
「お、俺は男だって!」
「隠さなくたって大丈夫さ、女の整備士がいて悪いわけがない」
「そうそう、もしそんな事でいちゃもんつけるヤツがいたら、あの人にしばかれるって!」
「だよなぁ。」

(あの人って?)

首をかしげた少女を見て、大人たちが説明を始める。
「俺達よりずっと腕もあるし、細かい作業から、すっげぇ溶接までこなしちまう、整備の神様がいるんだよ」
「そう、その人が女性でな」
「細身の体なのに、思い荷物もひょいひょい持っちまうのよ」
「こんなガタイしてる俺達と違って、狭い所にも入っていけるだろ?それがまたすごいんだわ」
「そんなすごい人がいるんですか!」
少女の目が大きく開く。
「ああ。それを知ってるから、俺達は女だ男だ、見た目がどうだってこたぁ気にしないのさ」
不器用なウインクつきで、スキンヘッドの男が言った。

「おじょうちゃんは、中身を壊さないようにしただろう?」
「だって、大事な部品なんでしょう?」
「そうさ、大事な大事な部品さ」
「それを忘れなければ、きっと立派な整備士になれるよ」
「ほんと!?わたし、整備士になれるの!?」
うれしい!という声とともに疲れが飛んで行った様で、少女はぴょんと跳ね起きた。

一人が肩の整備部隊章を指差して言った。
「これをもらうまでには辛い修行が待ってるが、おじょうちゃんならきっと大丈夫さ」
工場から、紙を持った男が出てきた。
「これが募集要項だ。おじょうちゃん、がんばって立派な整備士になれよ!」
「はい!」
少女の笑顔は悪童同盟の空よりも明るく輝いていた。