猫の神様の手下の猫による支援活動の翌朝の会議の様子をSSにしてみました。
こんどはかっこよく書きすぎたかー!?といった感じです。
でも悪童さんが無限にかっこいいのは問題ないだろうと勝手に思っています。
昨日護民官のお仕事でヘマしたのと
時系列が前後してないか心配、という不安から
一旦草稿板にUPしています。
名前が出てるのはほぼ悪童さんだけになります。
新しい施策も入っているので、藩王・摂政で内容確認をお願いできればと思います。
6/5 悪童さんのOKが出たのでこちらに転載します。
藩国設定へ書き加える事項などがありそうですので、イベントページへの転載は夜にでも検討できればと思います。
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***旅人の国
発布された翌朝早く、会議室では避難民に対する支援活動について検討が行われていた。
前日に皆で集めた情報を持ち寄って、問題点の把握と対策に頭をなやませる一同。
「猫達に未病の人の支援をしてもらってはいますが、一般的に難民キャンプでは血流の悪化による体力の低下が起こる可能性が高いので心配です」
「軽いストレッチや体操程度でも体を動かせばいいんだけどね、勧めてもそんな気になれないという人が多いんだ」
「着の身着のまま非難して来た人もいるし・・・」
「いつまでこんな生活が続くんだ!ってイライラしてる人がいてこわかった!」
「それどころじゃない、いつまでここに置いてもらえるのかすら不安に思う声もある」
「支援設備の製造やライフラインの整備の人手が足りていません!」
「人はいるじゃないか。避難して来た人達も雇って支援に参加してもらおう」
悪童屋の静かな声に、ヒートアップしかけた会議室内がまとまった。
「そうですね、キャンプにこもって不安な日々を過ごすよりも、その方がいいという人もいるかもしれない」
「僕だってこんな時には家族や仲間の為に何かしたいと思うだろうし」
「何もできないとなると精神的な辛さで体力も落ちてしまいそうだ」
「給料が出るとなれば、やる気が出る人も少しは増えるかもしれない」
「それにね。避難してきたといっても今はうちの国民と同じだと思っていることを知ってもらいたいんだ」
悪童同盟の藩王、悪童屋 四季は一度目を伏せ、そして、静かに開いたその眼差しを窓へと向ける。
「ここは旅人の国。どこから来てどこへ行こうとも、俺は大切な民だと思っている」
その言葉、その声から発せられる、優しさと力強さに、皆の想いが重なった。
「力仕事ができる人は、支援設備の製造やライフラインの整備を」
「配給や救護テントへの搬送も手伝ってもらおう」
「簡単な手当てやマッサージの方法を習ってもらうのもいいかもしれない」
「マッサージは非常に効果的ですね。軽くさするだけでも血流がよくなる」
議事をまとめていたりんくが悲鳴を上げそうな程、山のようにプランが集まった。
だが、まだ悪童屋は何かを考えていた。
「子供達にも何かしてやれないだろうか」
そうだ。大人だけではない。子供達も立派な民なのだ。
「教育・・・いや、そこまでいかなくても、折り紙をしたり、お話をきかせてあげるのってどうでしょう?」
「そうだな。それならお年寄りにも年少の者にもできそうだ。お互いの国の昔話を語り合うというのも楽しいだろうし」
「早急に広場用の屋根を用意しましょう。I=Dを作るよりはずっと簡単で楽ですよ」
「お茶やお菓子も用意して、人が集まりやすいようにしましょう」
「人と人とのふれあいは、どんな薬にも勝ります」
そこからはインフラ整備とふれあいの場設立の2グループに分かれて話し合いが続いた。
明日には、いや、今日の昼には目に見えた形で実施され始めるに違いない。
トップダウンとは程遠い藩国運営ではあるが、みんなやりたいことは一つだ。
皆と共に、出会いと別れを繰り返しながら歩んでいく。
だからこそ、有事の際にも一丸となって突き進むことができるのだろう。
旅には思い出がつきものである。
良い思い出も、悪い思い出も・・・。
救護テントへ走る道道中、ふと思う。
(この辛く厳しい旅は、彼らにとっての良い思い出へと昇華されるだろうか?)
いや、これが良い思い出になるようにするのが俺の、悪童同盟という国の務めなのだなと、悪童屋は心の中の鏡に向かって一人つぶやいた。